そう、少女は生きながらに、「雌豚」とされてしまったのである。
仄暗い昭和の歴史の最初の二十年。 世界の全てを巻き込んだ戦争が終わりに差し掛かろうとしていた、最後の数ヶ月。 戦争の残照ともいえる忌まわしい研究は未だに続いていた。 「傷痍軍人ノ前線復帰ノ為ノ予備研究」 帝国軍の秘密機関で行われていたその研究は、戦いに傷つき、人としてすら生きることを ままならぬものとなってしまった者達を復活させるための研究でもあり…… そして、それらを最後の肉の一片まで使い潰す研究でもあった。 幸いにして、そして不幸にして、その研究の「成果」はただ一人の少女でしかなかった。 零号被検体・零(れい) 彼女はとある重病を生来背負って伊豆にある修道会系サナトリウムに収容されていた少女だった。 余命幾ばくもない彼女が、この全てが終わろうとしていた季節まで生きていられたのは 若き天才科学者、尾崎のおぞましい研究の成果のため。 彼は先天的な免疫不全を利用して、ヒトと異種動物間の臓器移植を実現しようと彼女を利用した。 その結果……。 彼女は命と引き替えに、少女としての全てを失うこととなってしまった。 尾崎が移植に利用したのは、人間とその臓器の配置と大きさが似通っている「豚」。 そう、少女は生きながらにして、「雌豚」とされてしまったのである。 そしてこれは、その不幸な少女と、その周囲で起きた出来事の、 最後の数ヶ月間の記録である。 |
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零号被験体:零(ぜろごうひけんたい:れい)「『雌豚女』……返す言葉も……ない。私は事実として、そう……変容を強いられてる」
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森田華音(もりた かおん)「……泣いているのね……無様な娘」
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尾崎(おざき)「僕はただ……僕の研究だけが、生き甲斐だったのさ」
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【零】「ひぁ……あぁ……ああ……あ……ああぁ……う、うん」
その次に繋ぎたかった言葉は『見ないで』という哀願。 だけれど、私は只の一言も、 【零】「ひああああああああああああああっ!? …………ぅ、くぅ…………ぅ…………っ」 意味のある言葉を紡ぎ出すことが出来ず、ただ、乱暴に男になすがままにされるだけだった。 その凌辱に、私の躯はそれでも、敏感に反応していた。 股間に熱い液体が滴り、より円滑に突き入れられるものを受け入れるために溢れかえっている。 だけれど、それを私の心はせめても拒んでいることを、何とか表したい。 そう思い、私はきつく目を閉じて、表情を殺す。 |
【零】「ひ……っぎ! ぎあ!? あ、ぁああ!? あが!? あああああぁあひいぃい!?」 殺しては、だめ。 壊しても、だめ。 だけれど。 制約は、たったそれだけ。 それ以外は、何をしてもいいのだ。 【華音】「まだよ……まだ、まだ……」 自分でも笑っているのが分かる。 尾崎様には見せられないような笑みが。 でも……彼女になら、見せてもいい。 殺しては駄目。壊しても駄目。 だから殺しも壊しもしないけど、それでも。 恐怖を刻み込むことは許されているのだから。 痛めつけるだけなら、どこまでも許されているのだから。 |
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【華音】「お、ざき……さま……めい、れい……どおり、に……ぅあ……あああ……あぁあ……んううあ!」
あの男に向かって、手を伸ばした。 それは、せめて一瞬でも、一回でもいい、ただ、認めて貰いたいという、情動と衝動だということを、彼女の心音が、私にそのことを伝えて……。 ……そして、私に、私達に浴びせられていた視線は……只ひたすらに、冷たかった。 【華音】「お……ざ……き……さ……ま…………あ……あ……ぁ……ぁ……ぁ……………………ぁ…………」 そしてその手は、彼に取られることなく……宙を彷徨う。 その宙を彷徨った手は、私に落ちてきて……。 彼女の悲しみを、やりきれない悲しみを、私に染み通らせる。 |
【零】「うぅ……くう……ん……ぁ…………ん……く……っ!」
殺風景な実験室に、手足に枷を掛けられた零……夜会服をまとった零が、うずくまっている。 獣の様に四つんばいになりながら。 そしてそのすぐ後ろからは……一匹の本物の豚が、零にのし掛かっていた。 豚は息を荒げ、涎を垂らしながら零にのし掛かってる。 零は、夜会服のスカートをまくり上げられ、その白い尻を無防備に剥き出しにされて、豚に組み敷かれている。 豚は……零を明らかに『雌豚』と認識している様だ。 それが、零の中に埋め込まれたものの影響かどうかは、分からないのだが。 |
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二人の女が、一人の醜い男にかしずいていた。
そこから、絶え間なく熱気が溢れている気がするのだが、この部屋はフレオンガスによる冷却器が備えられていて、夏にも関わらず、快適な温度が保たれていた。 そう、本来ならば彼女のためだけに、被検体『零』の為だけにある部屋なので、そういったものは充足していた。 この部屋は、おぞましいとも言える実験……豚からの異種間移植実験の被検体を、生存させるために全てがあつらえられている部屋。言ってしまえば、零のための硝子の檻とでも言うべき部屋だった。 だが、今は……僕の行った実験などよりも、遙かにおぞましい行為が、展開されていた。 |
【零】「どう……ですか? 綺麗……ですか? 可愛い……ですか? それとも…………淫ら、ですか?」
言葉を発する度に、粘つくものが夜会服の胸に滴り落ち、口の端から淫猥な音がして……そして声も、少女のそれから、蠱惑的な声へとトーンが変わっていく。 疑問系の問いかけ。しかし……そうじゃない。 私は彼女が、あの娘が……自分の姿に確信を持っていると……その事に、気づいてしまう。 ……ふと、一瞬だけれど、碧の瞳が私を捉えた。 上気し、僅かに涙を浮かべたその瞳は、輝く碧の宝石の様で……。 その輝きに、私は言い知れない羨望を感じてしまう。 全てが……今、彼女に現れている要素の全てが、私にも有ればと……羨望して、しまう。 淫猥さで多くの雄を駆り立てている雌豚。 そうには違いなのだけれど……。 |
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【零】「んぁ……ん……ぁ……ん……はぁ…………んふ…………んぅ……ん……あぁ……んぅ……ん……ぁあは……ん!」
熱い吐息を吹きかけながら、臭いのきつい男性器を貪り、しゃぶり尽くす。 口の中には精液の苦くて尖った味と、青臭くて生臭い、鼻を突き刺すような臭いが充満している。 それを包み込む私の唾液もケダモノじみた臭いになっているのではないかと……暗い気持ちにさせられる。 だけど、私は男性器をしゃぶるという行為を続ける。 ただ、精液を貪るために。汚され尽くした後の……虚脱感を味わうために。 |
【華音】「さぁ……おいで。そして……この雌豚を、犯しなさい」
【零】「え、いや、あ、あ、あ、あああああああああああ!?」 何の前準備もない挿入。 肉が擦り合わされる感覚が私を中から貫いていく。 【零】「うぐ、く、う、うぅ……ぅ……ぅうう…………うう!」 男達は私で肉欲を満たそうというのではなく……。 ただ、私を苦しめるために、その行為を行っているとしか思えなかった。 それもそのはずだ。 華音さんが、私を苦しめるため、これを行わせてるのだから。 彼女には、只一人を除いて、誰に対しても容赦がないのだから。 |
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対応OS | Windows2000/XP/Vista/7 日本語版 |
必須CPU | Intel Celeron / PentiumIII 500MHz相当以上(Vista/7の場合は1GHz以上) |
必須メモリ | 512 MB以上 (Vista/7は 1GB以上) |
解像度 | 800×600 |
色数 | ハイカラー必須 |
DirectX | DirectX8.0a以降 |
音源 | PCM |
音声 | フルボイス(女性のみ) |
CGモード | あり |
文字スキップ | あり |
回想モード | あり |